フランスライフスタイル  フランス人は読書してる?パリの読書事情
9月になり、少しずつ秋へ向けて涼しくなってきています。
秋と言えば「読書の秋」ですね。
フランス人はよく本を読んでいるイメージがあります。
バカンス中やピクニック中に日差しの中で寝転びながら読むというスタイルは、
まさに欧米人の休暇といった感じです。フランス映画にも読書するシーンが多いです。
また議論の好きなフランス人は言葉への執着が強いのも事実。多くの優れた作家を出し、
一般の人たちも文学への教養が高いような気がします。
特にパリには出版社や書店が集まる知的な地区も存在します。
しかし実際にフランス人はどれくらい本を読んでいるのでしょう。
 
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【読書時間は1週間で6.9時間】
 
パリの読書事情を見てみましょう。
東京と同じで時間に追われがちなパリ。通勤途中のメトロの中で読む人が多いそうです。
他には夜寝る前に読む人も多いようですね。
ベッドの上で上半身裸のまま本を読む姿は、フランス映画でもよく見られる光景です。
フランソワ・トリュフォーの映画『家庭』のように、夫婦がベッドでそれぞれ違う本を読みながらその本の感想を言い合う場面もあるのかもしれません(理想の夫婦像です)。
1週間辺りの読書時間は6.9時間で、1日1時間は読書の時間に費やしていることになりますね(2005年NOP World Culture Score発表)。
生活の中に読書の時間があるのはやはり豊かな文化国といった感じがします。
いくら生活水準が上がっても本を読む時間さえなければ、それは文化国とは言えないのかもしれません。
フランス語以外の本では英語の次に日本語の本が多いというのも、日本人にとっては嬉しいですね。
おそらく村上春樹の小説や日本の漫画の影響もありそうです。 
 
 
【やはり紙が好きなフランス人】
 
2009年のフィガロ紙の記事によれば、電子書籍などの画面で読むよりは紙をめくって楽しみたいという人が多いようです。
映画や音楽はダウンロードして電子端末で楽しみたいという人が40%いたのに対して、
本をダウンロードしたいという人はたったの5%。やはり紙としての本を重要視していることが分かります。
パリに昔ながらの装丁職人(リルユール)が存在するのもフランス人が本そのものにいかに愛着を持っている証拠だと思います。 
 
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【ベストセラーだけに偏らない読書趣向】
 
日本ではベストセラーがたくさん売れてその他の本はあまり売れない状況ですが(俗にいう出版不況)、
フランスではベストセラーの売り上げは全体のわずか5%ほどで、
それ以外の本の売り上げが大部分を占めているとのことです。
これはフランス人がそれぞれの独自の好みの本を買っていて、
書店側も読者の希望に応えた多種多様な本をそろえていることを意味します。
一時の流行にとらわれない真の読書家が多いということかもしれません。
そのため書店のクオリティ(品ぞろえや陳列方法)も非常に高く、
かつお店それぞれに独自の味があります。
日本のようにどのお店に行っても同じ本が並んでいるということはありません。
パリの書店巡りは本好きにはたまらないパリ散策の一つです。 
 
【一年間で1冊も本を読まない人が3割も】
 
しかし驚くべき結果もあります。2009年にラ・クロワ紙が18歳以上のフランス人を対象に行った調査によると、フランス人の30%は年間1冊も本を読んでいないという結果が出ました。
年間1~5冊読んでいる人は少し多い34%です。年間6~10冊読む人は13%と急に割合が少なくなります。
また逆に50冊以上読む人はフランス国民の3%いるという事実も見逃せません。
やはりフランス人の教養は読書によって作られているようですが、
サン・ジェルマン・デ・プレ周辺も出版社が減ってきたようで、
今後フランス人の読書人口が減っていくのではという危惧もあります。 
 
 
本の祭典「サロン・ドゥ・リーヴル」
 
他にフランス人の読書好きを体験できるイベントとしてサロン・ドゥ・リーヴル(本のサロン)があります。
これは毎年様々な出版社が集まって本を紹介・販売する国際的な書籍見本市。
海外からの出展もあり、フランス人にとっては新たな国の本に出会えるチャンスでもあります。
人気のコーナーは作家のサイン会や講演会など。
毎年一つの国に焦点を当ててその国の文学を紹介するイベントもあり、
2012年は日本が招待国に選ばれました。開催期間は多くの本好きが集まり、
新しい本や作家と出会う機会となる世界的な読書イベントです。
東京出身。慶應義塾大学文学部卒。 大学時代に写真撮影を始める。2007年、パリに一年間滞在して写真を制作。 以後毎年パリへ出かけ、変化し続けるパリと変化しないパリを撮り続けている。 他にパリを舞台にした小説を書いている。

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